相続・遺言に関する手続の総合案内(合同会社つなぐ(FP)×司法書士法人黒川事務所×行政書士黒川事務所の運営サイト)
最終更新日:2025年11月29日
「同性婚ができなくても、パートナーに相続させる方法は幾つもあるらしい」
日本では同性婚が現状認められていないことや、パートナーシップ制度でも相続権を発生させることはできないので、ゲイやレズビアンといった同性カップルの方にとって相続対策は若いうちから重要です。
いざという時に最愛の方が困らない対策をしておきたいですよね。
同性カップルが採れる主な相続対策は下記の4つです。
1 遺 言(最優先)
2 生命保険(相乗効果が大きい)
3 死因贈与(譲受けの確率アップ)
4 養子縁組(慎重に検討が必要)
上記は、私がお勧めと考える順番で並べています。
この順番になる理由を、今回の記事では詳しく解説していきます。
どれを優先して取り組むべきか、判断材料としてお役に立てるかと思いますので、ぜひご覧ください。
遺言の費用面では、リスクヘッジと両立させた選択の幅が広がっており、公正証書にすると平均的な40代の財産状況であれば5万円から8万円程度かかりますが、公正証書にしなくても法務局に保管するという次善の策を国が用意しており、その場合は3900円で済みます。
cf.死因贈与では公正証書にしないと保管制度がなく、リスクヘッジの面で不安が残ります。
遺言は単独行為なので秘密保持も可能で、親族等へのカミングアウトを強いられることもありません。
cf.死因贈与ではそれぞれの相手方の同意が必要なのでパートナー以外への贈与はカミングアウトを迫られ、養子縁組は戸籍や住民票に記載されて養子の氏も変わるなど、完全にオープンな方向けの制度です。
以上が遺言の特徴になります。遺言書の作り方等について、詳しくは下記の記事をご覧ください。
死因贈与であれば、契約の際に贈与者側の理解を得られれば、一定の手当(撤回権の放棄の合意、仮登記の具備など)を講じることで、将来の贈与者の撤回を制限することが可能です。
贈与する側の恣意で、人生を左右されるリスクを減らすことができます。
cf.遺言や生命保険は、贈与する側や保険契約者側がいつでも撤回ないし解約することが可能です。
同性カップルが採れる主な相続対策には、遺言・生命保険・死因贈与・養子縁組の4つがあります。
それぞれの制度にメリットとデメリットがありますが、総合的に見て第一に検討すべきは遺言です。
柔軟な財産分配、撤回や放棄の任意性、国の保管制度、秘密保持などの面から、最も多くのケースでメリットが大きくなります。
そこに生命保険を組み合わせることで、遺留分や相続税にも備えることができ相続対策として万全のものとすることができます。
受取側の安心感を重視する場合には死因贈与も有力な選択肢となりますが、撤回制限を巡る紛争や債務承継のリスク、税負担などのデメリットあるため、利用にあたっては慎重な検討が欠かせません。
養子縁組は制度としては強力ですが、夫婦関係を築く目的での有効性の問題や将来の同性婚への影響など、ミドル世代の同性カップルにとってはデメリットが大きく、基本的には推奨できません。
とはいえ、どの対策が最適かは個々の状況によって異なります。
また、以上は遺産承継の話ですが、死亡の前後にはそれ以外にも対策すべき諸問題が同性カップルには存在します。
法的に家族ではないパートナーによる病院対応や死後事務を念頭において、他の法律文書(医療同意委任契約・死後事務委任契約)の備えも重要になります。
昭和57年 東京都文京区 生まれ
平成16年 中央大学 法学部法律学科 卒業
平成22年 司法書士試験 合格
平成23年 簡易裁判所の訴訟代理権試験 合格
一般企業の法務部、大手の司法書士法人等を経て、現職。
裁判所への書類や企業間契約書など、法律文書の作成を専門として15年程の実務経験があります。定型文中心の行政申請業務が主流の司法書士業界では珍しい経歴かもしれません。
現在は特に、同性カップルの法的課題に対する支援に注力しており、遺言書や医療同意委任契約など、法的効力や実務上の実効性を重視したサポートを行っています。
「一人の人生の大事な局面に関わる責任」を重く受け止め、依頼者の思いに応える成果を提供できるよう、今後も研鑽を続けて参ります。
・至誠一貫 ・第一義
・茶道(裏千家/許状:行之行台子)