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遺産分割協議書の書き方、作り方の手順について

遺産分割協議書

「遺産分割協議書の書き方を知りたい」

遺産相続すると、こういったお悩みを抱える方が多数おられます。

 

遺産分割協議ができたら、遺産分割協議書を作成しなければなりません。

正しい書き方を守らないと無効になってしまったり、相続登記などの手続きを受け付けてもらえなかったりするリスクが発生します。

 

今回は遺産分割協議書の書き方や作成手順を相続の専門家である司法書士・行政書士が解説しますので、これから遺産分割協議書を作成する方はぜひ参考にしてみてください。

遺産分割協議書の書き方

1.遺産分割協議書の書式、ひな形

遺産分割協議書

 

本   籍  東京都○○区○丁目○番地

最後の住所  東京都○○区○丁目○番○号

被相続人   司法 太郎(2022年○月○日死亡)

 

上記の者の相続人は全員、被相続人の遺産分割について協議を行った結果、次の通り同意した。

 

1.相続人司法花子(妻)は次の遺産を取得する。

【土地】

所  在  ○市○町○丁目

地  番  ○番○

地  目  宅地

地  積  23000㎡ 

【建物】

所  在  ○市○町○丁目

家屋番号  ○番○

種  類  木造

構  造  瓦葺2階建

床  面  積  1階 100.00

       2階  8000㎡ 

 

2.相続人司法一郎(長男)は次の遺産を取得する。

【現金】   金10,000,000

【預貯金】   ○○銀行支店 普通預金 口座番号○○○○○○○

        ○○銀行支店 定期預金 口座番号○○○○○○○

 

3.相続人司法次郎(次男)は次の遺産を取得する。

【株式】   〇〇証券〇〇支店の被相続人口座の株式

○〇株式会社   普通株式〇〇〇〇株

〇〇株式会社   普通株式〇〇〇株

その他、預託している被相続人名義の全財産

 

4.本協議書に記載のない遺産及び後日判明した遺産については、相続人司法花子がこれを取得する。

 

以上のとおり、相続人全員による遺産分割協議が成立したので、本協議書を3通作成し、各相続人が署名押印のうえ、1通ずつ所持する。

 

2022年○月○日

【相続人司法花子の署名押印】

住所

氏名           実印

【相続人司法一郎の署名押印】

住所 

氏名           実印

【相続人司法三郎の署名押印】

住所

氏名           実印

上記は典型的な遺産分割協議書の例です。

実際にはそのままではなく、アレンジして使いましょう。

以下で遺産分割協議書の具体的な書き方をご説明していきます。

2.使用するペンや文房具、ツールについて

遺産分割協議書を作成するとき、使用する紙やペン、パソコンなどのツールについて指定はありません。

パソコンを使ってもかまいませんし、用紙サイズも自由に選べます。ボールペンでもサインペンでも万年筆でも作成できます。ただ鉛筆やシャープペンシルは消えてしまうので、使ってはなりません。

 

パソコンを使える方はパソコンで作成すると、きれいにでき上がりやすいでしょう。プリントアウトできるので複数部数作成するのも容易です。用紙サイズはA4A3B4とするのがよいでしょう。

3.タイトルと亡くなられた方の情報

遺産分割協議書を作成する際には、まずは「遺産分割協議書」というタイトルを書きます。

次に亡くなられた方の情報を記載しましょう。

  • 氏名
  • 本籍地
  • 最後の住所
  • 死亡年月日

 

上記の情報にて特定します。

4.相続財産の書き方

遺産分割協議書では、相続財産の書き方が非常に重要です。間違えると不動産の相続登記や預貯金の払い戻しなどの手続きができなくなるケースがあるので、必ず正しい書き方を知っておきましょう。

 

以下でそれぞれの財産の書き方をご紹介します。

4.1 不動産の書き方

不動産の場合、登記簿謄本(登記事項証明書)の表題部にかかれている内容をそのまま引き写しましょう。

 

登記事項証明書は、不動産の所在地を管轄する法務局で取得できます。

 

土地の記載例

登記事項証明書表題部の「所在、地番、地目、地積」をそのまま書き写します。

住所表示とは異なるので、間違えないように注意しましょう。

 

【記載例】

所在 東京都〇〇区〇〇町〇丁目 

地番 〇〇〇番

地目 宅地

地積 250.00

 

建物の記載例

登記事項証明書の「所在、家屋番号、種類、構造、床面積」を正しく記載しましょう。土地と同じく住所表示とは異なります。

【記載例】

所在 東京都〇〇区〇〇町〇丁目 〇〇〇番地

家屋番号 〇〇〇番〇

種類 居宅

構造 木造かわらぶき2階建

床面積 1100.00

    2階80.00㎡

4.2 預貯金の記載例

預貯金の場合、通帳や取引履歴を見て「金融機関名、支店名、種別、口座番号」をそのまま引き写しましょう。支店名が抜けないように注意してください。

金額は、利息などがついて記載内容と異なると出金できなくなる可能性があるので、書かないのが無難です。

 

【記載例】

○○銀行 ○○支店 普通預金 口座番号○○○○

4.3 株式の記載例

株式の場合、以下のように記載しましょう。

 

【記載例】

〇〇証券〇〇支店の被相続人口座の株式

○〇株式会社   普通株式〇〇〇〇株

〇〇株式会社   普通株式〇〇〇株

 

その他、預託している被相続人名義の全財産

4.4 自動車の記載例

自動車の場合、自動車検査証の「車名、登録番号、型式、車台番号」を引き写しましょう。

 

【記載例】

車名 ○○○

登録番号 〇〇○○○○○

型式 ○○○-○○○○○

車台番号 ○○○○○○-○○○○○

4.5 借金がある場合

被相続人に借金がある場合には、借入先や借入金額を書きましょう。

 

【記載例】

債権者 〇〇銀行○○支店  金500,000

5.新たに発見された財産の分割方法

遺産分割協議を行った後、新たに財産が発見されたときの分け方も定めておきましょう。

特定の相続人が相続する内容にしておくと、協議をやり直す必要がないのでスムーズに解決できます。ただし発見された財産が非常に高額で遺産分割の前提が崩れてしまいそうな場合には、1人の相続人が相続する予定としていても決め直しができる可能性もあります。

 

新たな遺産についてはあらためて協議を行いたい場合「相続人全員で改めて遺産分割協議を行う」と定めておくとよいでしょう。

 

【記載例(特定の相続人が取得する場合】

上記遺産以外に、新たな遺産が見つかった場合には、相続人○○〇〇が取得するものとする。

6.代償分割の書き方

代償分割とは、特定の相続人が財産を取得する代わりに他の相続人へ現預金を支払って清算する遺産分割方法です。以下のように記載しましょう。

 

【記載例】

相続人○○〇〇は、第〇条に記載する遺産を取得する代償として、相続人〇〇〇〇に対し代償金として金○〇万円を2022年〇月〇日までに支払う。

7.換価分割の書き方

換価分割とは、遺産を売却して現金で分配する方法です。以下のように記載しましょう。

 

【記載例】不動産を相続人全員で協力して売却するパターン

次の不動産は売却換価し、売却代金から諸費用(不動産仲介手数料、登記費用、譲渡所得税その他売却にかかる費用)を控除した残りの金額を、相続人らが法定相続分に従って分配する

 

【記載例】不動産を相続人の代表者が売却して分配するパターン

1.次の不動産は相続人○○〇〇が取得する。

土地、建物を表示(登記事項証明書を引き写す)

 

2.相続人○○○○は前項の不動産を売却換価し、売却代金から売却に伴う諸費用(不動産仲介手数料、登記費用、譲渡所得税その他売却にかかる費用)を控除した残りの金額を、他の相続人らと法定相続分に応じて分配する。

8.相続人は全員自署と実印の押印が必要

遺産分割協議書の文章ができあがったら、相続人全員が署名押印しましょう。

印鑑は実印を利用して全員分の印鑑登録証明書をつけてください。不動産の相続登記では実印と印鑑証明書が必要となりますし、預貯金払い戻しなどの際にも実印を要求されるケースが多いからです。

 

当初から用意しておけば、相続手続きの際にあらためて取得する手間を省けます。

9.契印、割印について

遺産分割協議書が複数枚数になる場合「契印」が必要です。相続人が全員実印でページとページの間に押印しましょう。

 

遺産分割協議書は複数部数作成するので、重ね合わせて「割印」もしておくとよいでしょう。これにより、同じ書類であることを証明できます。

遺産分割協議書の書き方に自信を持てない場合、専門家へ任せると安心です。

 

当事務所では司法書士、行政書士が遺産分割協議書の作成に対応しますので、お気軽にご相談ください。

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監修者:黒川聡史

監修者:黒川聡史

保有資格と所属団体

  • 司法書士:東京司法書士会所属:登録番号4230号
  • 行政書士:東京都行政書士会所属:登録番号第19082582号
  • FP(FP技能士1級:日本FP協会CFP®)
経歴

昭和51年生まれ。平成13年司法書士と行政書士の資格取得後、都内司法書士事務所で勤務。平成19年に独立開業し、平成30年に法人化し司法書士法人黒川事務所となる。また、ファイナンシャルプランニング技能士1級及びCFP®を取得しFPとしても活動している(合同会社つなぐ)。

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