相続・遺言に関する手続の総合案内(合同会社つなぐ(FP)×司法書士法人黒川事務所×行政書士黒川事務所の運営サイト)

相続遺言サポートつなぐ

(渋谷相談センター)東京都渋谷区渋谷3丁目7-3 第1野口ビル5階
(上野相談センター)東京都台東区東上野4丁目6-5 日比谷不動産ビル1階
(横浜相談センター)横浜市西区北幸2丁目5-13 西口幸ビル505
(梅田相談センター)大阪市北区堂島2丁目1-27 桜橋千代田ビル4階

お気軽にお問合せください

0120-971-259
営業時間
平日10:00〜20:00
土日10:00〜17:00
祝日休み

相続登記の義務化は2024年4月1日から|放置していると10万円以下の過料も?

2024年4月1日から不動産登記法が改正され相続登記が義務化されます。

法改正後は不動産を相続したり遺贈されたりしたら、基本的に「3年以内」に相続登記をしなければなりません。

遅れると「過料」というペナルティを課されるリスクも発生します。

 

2024年3月31日までに相続した不動産にも改正法が適用されるので、現時点でも不動産を相続したらすぐに相続登記を行いましょう。

 

今回は不動産登記法の改正による相続登記の義務化の内容や対処方法について、司法書士がお伝えします。

相続登記義務化

1. 相続登記の義務化とは

登記

2024年4月1日、相続登記が義務化されます。

相続登記とは、相続した不動産の名義を被相続人(亡くなった方)から相続人へと変更する手続きです。

人が亡くなったら不動産の所有者が被相続人から相続人へ移りますが、自然に登記名義が変わるわけではありません。新しく不動産の所有者となった相続人が自分で登記申請をして、名義変更しなければならないのです。その名義変更の手続きが相続登記です。

 

2022年の時点では、相続登記は義務ではありません。不動産を相続したときに相続登記しなくても違法ではなく、ペナルティも課されません。

 

一方、2024年6月1日からは相続登記が義務化されるので、不動産を相続したら期限内に相続登記をしないと違法状態となってしまいます。

2. 相続登記の義務化の背景と問題点

今回、相続登記が義務化された背景事情をみてみましょう。

2-1. 所有者不明の土地が増加して社会問題に

近年、不動産の相続登記が適正に行われないことにより、所有者不明の土地が増加しています。土地の所有名義がすでに死亡した人のままになり、実際には誰が所有者かわからなくなっているのです。

こういった状態では、外見上誰が土地の真実の所有者家判断できず、売買の際などに混乱が生じるリスクが高まります。

また日本では少子高齢化が進み、相続件数が増加して所有者不明の土地がさらに増えると懸念されています。

 

そこで所有者不明の原因となる相続登記の放置を抑制するため、登記が義務化されるに至りました。

2-2. 所有者不明土地による具体的な問題

現状で所有者不明土地が増えたため、以下のような問題が生じています。

 

  • 災害発生時や道路工事、再開発などの際に土地の買収が難航して適正な利用や取引が難しくなる
  • 治安が悪化する
  • 国土が荒廃する
  • 固定資産税の課税が困難となる
  • 土地所有者を探すコストが発生する

 

上記のような問題を解消するため、相続登記の義務化が必要と考えられる状況となっていました。

3. 相続登記の義務化、5つのポイント

今回の不動産登記法改正によって相続登記が義務化されます。重要ポイントは以下の5つです。

3-1. 相続登記の期限は原則3年

相続登記の義務化により、改正法の施行後は、相続や遺贈で不動産を取得したら原則として3年以内に相続登記をしなければなりません。

 

相続した場合だけではなく「遺贈」を受けた場合も同様です。遺贈とは、遺言書によって遺産を引き継がせることを意味します。

 

相続登記の期限は「相続したこと(遺贈を受けたこと)を知ってから3年以内」です。相続が発生しても、相続人になったことや遺贈されたことを知らなければ、3年のカウントは始まりません。

3-2. ペナルティは10万円以下の過料

義務があるにもかかわらず期限までに登記をしない場合、ペナルティが課されます。

具体的には「10万円以下の過料」が適用される可能性があります。

 

過料は行政罰であり刑罰ではないため、過料の制裁を受けても前科はつきません。

ただ金銭を払わせられると不利益を受けてしまうので、相続登記義務には従うべきといえるでしょう。

 

正当な理由がある場合の例外

期限内に相続登記をしなかった場合でも「正当な理由」があれば過料の制裁は適用されません。

「正当な理由」の具体的な内容については、今後行政通達などによって明確にされる予定です。

3-3. 施行日以前にも遡って適用される

今回の相続登記義務化の規定は、施行日である2024年4月1日より前に発生した相続の事案にも適用されます。たとえば現時点で相続登記が済んでいない土地も、2024年4月1日以降は義務化の対象となるのです。

 

「施行日前に相続した土地については相続登記しなくてもよい」などと考えていると過料の制裁を受けるリスクがあるので勘違いしてはなりません。早めに登記申請しましょう。

3-4. 相続人申告登記制度の新設

不動産を相続した場合、すぐに遺産分割協議がまとまらない事例も少なくありません。

ときには相続登記の期限である3年以内に遺産分割協議が成立しない場合もあるでしょう。

 

そういったケースでは「相続人申告登記」という制度を利用できます。

 

相続人申告登記とは、相続人が登記官へ申告することによって相続登記義務を一応果たしたとみなしてもらえる登記の制度です。

相続人申告登記をすると、登記官が職権で相続人の氏名や住所などの情報を不動産の登記簿へ付記できて、一応の所有者が明らかになります。

(この場合でも、申請義務を果たしたことになるのは申告した相続人のみです。他の相続人も申告しないと過料になる可能性があります。)

 

ただし相続人申告登記はあくまで一時的な仮の対応であり、正式な登記ではありません。

遺産分割協議が完了して不動産の相続人が決まったら、あらためて相続登記を行って正式な不動産の所有者を登記する必要があります。

期限は遺産分割から3年以内です。

3-5. 登記官が職権で登記や付記できるようになる

現在の法律では不動産の名義人や相続人、受遺者が自ら申請しない限り、登記官において登記簿上の情報を変更できません。

法改正後は登記官が自治体と連携して土地所有者の情報を取得し、職権で一部、登記情報の変更ができるようになります。

 

  • 名義人の死亡を確認した登記官は、職権で符号を表示できる
  • 名義人の氏名や住所変更を把握すると、登記官は職権で変更登記ができる(ただし名義人が自然人の場合、本人の申出があるときに限ります)

今回の改正で、住所変更登記も義務化されています。

個人や法人の住所(本店)・氏名(商号)に変更があった場合に、変更登記が義務化され2年以内に登記をしなければ5万円以下の過料の対象になります。

4. 相続登記の義務化はいつから適用される?

不動産の相続登記を義務化する改正不動産登記法は2024年4月1日に施行されます。

よって2024年4月1日から、相続登記が義務化されると考えましょう。

 

また改正不動産登記法は、2024年3月31日までに相続された不動産にも適用されます。

改正法施行前に不動産を相続した場合にも、相続登記をしなければ違法になってしまうので、土地や建物、マンション等を相続したら早めに相続登記を申請しましょう。

 

2024年3月31日までに相続した場合の登記期限

2024年3月31日までに不動産を相続した場合の登記期限は、以下のいずれか遅い日です。

 

  • 2024年4月1日から3年後
  • 不動産の所有権を取得したことを知った日から3年後

 

たとえば2022年1月1日に相続人になったことを知った場合、2027年4月1日が相続登記の期限になります。

5. 相続した土地を国庫へ帰属させる制度について

相続登記の義務化と同時に、相続した土地を国へ帰属させられる制度も創設される予定です。

 

相続人が活用も売却もできない土地を手放せず、税金や管理費用のみがかかってしまう負担を削減するための配慮です。

 

国へ土地を返す制度の注意点

国庫へ土地を帰属させる際には、管理費用の10年分を納付しなければなりません。

またすべての土地を国に返せるわけではなく、管理に大きな困難を伴う土地などは除外されます(担保権や用益権が設定されていても不可。隣地との境界が明らかである必要)。

また、建物が建っていたら対象外です。

今後、不動産の相続登記の義務化が決定しているので、土地や建物、マンションなどを相続したら早めに相続登記しましょう。放っておくと過料の制裁を受けるリスクも発生します。

 

ただご自身で対応すると負担が重くなり、手間取ってしまうケースが多々あります。スムーズに相続登記を完了するため司法書士へ任せましょう。

弊社では相続案件に力を入れて取り組んでいますので、お気軽にご相談ください。

相続登記にかかる費用

相続登記には「登録免許税などの実費」と司法書士に依頼した場合の「報酬」がかかります。

登録免許税 固定資産評価証明書の評価額
0.4%(1000分の4)
当事務所にご依頼いただいた際の報酬

相続登記の関連記事を紹介

相続登記の必要書類

相続登記には多くの書類が必要です。

「遺産分割協議」「法定相続分」「遺言がある」それぞれのケース別の書類を司法書士が解説

相続登記を自分でやる

相続登記を自分でする場合の必要な書類の集め方・手続きの流れ・メリット・デメリットを司法書士がわかりやすく解説しています。

相続登記の手続き

相続登記の種類別の手続き方法と知っておきたい3つのことを紹介

放置するリスクについても解説

法定相続情報証明制度

銀行や登記の手続きの際に戸籍謄本一式に代えて利用できるので非常に便利です。

取得に必要な書類や書式・手続の流れについて司法書士が解説

相続登記の費用

相続登記にかかる費用・司法書士に依頼する場合の報酬について説明。

当事務所の相続登記のおまかせプランを紹介。実費は同じでも、報酬は事務所によって違う!

相続登記を司法書士に

相続登記を司法書士に依頼すると、必要書類収集の手間を削減できるのはもちろん、相続人の調査や遺産分割協議書作成などスピーディーに相続登記を終えられます

監修者:黒川聡史

監修者:黒川聡史

保有資格と所属団体

  • 司法書士:東京司法書士会所属:登録番号4230号
  • 行政書士:東京都行政書士会所属:登録番号第19082582号
  • FP(FP技能士1級:日本FP協会CFP®)
経歴

昭和51年生まれ。平成13年司法書士と行政書士の資格取得後、都内司法書士事務所で勤務。平成19年に独立開業し、平成30年に法人化し司法書士法人黒川事務所となる。また、ファイナンシャルプランニング技能士1級及びCFP®を取得しFPとしても活動している(合同会社つなぐ)。

相続の手続き|遺言書作成のご相談は

司法書士黒川

司法書士法人黒川事務所
行政書士黒川事務所
合同会社つなぐ

お電話でのお問合せはこちら

0120-971-259

受付時間

平日10:00〜20:00 土日10:00~17:00

祝日休み

ご相談内容と曜日によっては担当者がお休みを頂いている場合がございます。