相続・遺言に関する手続の総合案内(合同会社つなぐ(FP)×司法書士法人黒川事務所×行政書士黒川事務所の運営サイト)
「遺言書をどこに頼んだらよいのか分からない」
ゲイやレズビアンなど、LGBTの方向けの遺言書等の法律系ネット記事も最近ではかなり増えてきました。
そのような記事をネットに上げている事務所は、色々な面で何種類かに分類することができます。
様々な面から事務所を分類比較することで、ご自身にとってどの事務所がマッチするのかも浮かび上がってきます。
今回は、LGBTの方向けに遺言書等の生前対策を掲げる事務所の比較を中心に解説していきます。
【スキップ】
1-1.派生業務型の事務所
1-2.特化注力型の事務所
1-3.当事務所のサービス
2-1.弁護士
2-2.司法書士
2-3.行政書士
2-4.「○万円〜」にご注意
2-5.遺言執行セットにご注意
3-1.即独立型の事務所
3-2.情報発信の多い事務所
3-3.公証人も専門性に差がある
4.まとめ
当事務所がお勧めする法律文書3点セットは、LGBTの方向けで、なおかつ年配の方ではなくミドル世代の方に限定したサービスという点で、他にあまり例を見ないものだと思います。
このサービスでは、上記のように作成支援の対象を絞り込むことで、明瞭低廉なセット価格を実現しています。
このサービスの詳細は、以下のページをご覧ください。
司法書士は、法務局への登記の代理や、裁判所への書類作成、簡易裁判所の訴訟代理などを独占業務とする法律専門職です。
法律では「登記、訴訟その他の法律事務の専門家」とされ(司法書士法第1条)、行政上の分類でも弁護士と同じく「法務従事者」とされています(総務省の日本標準職業分類)。
司法試験に肉薄する難易度の試験制度により、行政書士よりも高度な民法等の能力担保が図られています。
報酬としては、弁護士よりも低い傾向があり、行政書士とほぼ同水準の5万〜15万円が多い印象です。
公正証書遺言と自筆証書遺言で報酬金額を分けて、前者の方が後者よりも高く設定していることが多いといえるでしょう。
行政官庁への許認可申請などを独占業務とする、書類作成の専門職です。弁護士法や司法書士法などに規定されているもの以外の書類作成などを業務としています。
行政上の分類では、弁護士や司法書士と異なり「法務従事者」ではありませんが、「他に分類されない専門的職業従事者」とされています(総務省の日本標準職業分類)。つまり、行政分類上は法律家ではなく、法務以外の分野の専門家とされています。
報酬としては、弁護士よりも低い傾向があり、司法書士とほぼ同水準の5万〜15万円が多い印象です。
司法書士と同様に、公正証書遺言と自筆証書遺言で報酬金額を分けて、前者の方が後者よりも高く設定していることが多いといえるでしょう。
ホームページ上では遺言書作成費用を「3万円〜」のように表示して、「〜」(カラ)を付ければ虚偽表示ではないということで額面自体は非常に低く設定しつつ、実際に電話してみたら追加費用で十数万円必要と言われたという事例をよく耳にします。
案件内容によって金額に一定程度の幅をもたせる必要があるとしても、目安にもならないような低い金額のみを強調して誘致するのは望ましくないと思いますが、そのような事務所が存在するのも事実です。
もし非常に低廉な価格設定に見える事務所に相談される際は、早い段階で総額でいくらかかるのかを聴き取ることをお勧めします。
遺言書作成の依頼先によっては、遺言書の条項の一つとして、遺言執行者をその事務所に指定することが必須になっていることがあります。
遺言執行の費用は、遺産総額の何%という単位で設定されているのが多数です。そのため、ケースによっては何十万円から何百万円にもなりえます。
つまり、遺言書作成という入り口は安めに設定しておいて、後々の遺言執行の段階で高額を請求されるということもありえるのです。
当事務所は、パートナーを遺言執行者に指定しておくことをお勧めしています。
なぜなら、遺言執行者は別の人に遺言執行をさらに任せることも可能なため、遺言書作成時点で専門家を限定しておくメリットに乏しいからです。
遺言書作成の依頼先を検討される際は、遺言執行者の事務所指定が必須なのかも確認されることをお勧めします。
公証人は、公正証書の作成等を職務とする法律専門職です。
遺言を公正証書で作成するときは、公証人の手続関与が法律上必須であり、実質的に公務員といえる存在です。
公証人に支払う手数料は、政令(内閣が制定)で定められていて全国一律ですが、その専門性には実は少なくないバラツキがあります。
公証人は、検事や法務省出身者が多数で、裁判官出身は1/4程であり、また、裁判官出身も刑事裁判官の方が民事裁判官よりも多いといわれています。
つまり、前職から遺言分野で実務経験を蓄積してきた民事裁判官出身は、実はかなり少数派と言えます。
もしご自身で遺言書の草案を作成されて、公正証書化するために公証役場に持ち込むときは、ネット等で経歴を調べて、民事裁判官出身の公証人に依頼されることをお勧めします。
よりレベルの高いアドバイスを受けられる可能性が高まるでしょう。
今回は、サービス内容、国家資格、費用等から多角的に法律専門職を比較してみました。LGBTカップルお二人のご状況やご意向によって、どの事務所がマッチするのかは変わってきます。
共通して言えるのは、ホームページから判断できる要素には限界があるということです。特に、その専門家の人となりや経験値を把握するのは困難です。
そのため、ネット等で候補を絞ったうえで、2か所以上の事務所に実際にご相談されることをお勧めします。
口頭での話し方や態度には、その専門家の人となりが文字情報よりも表れますし、2か所以上の事務所での案内を比較することで、士業以外の方でも経験値の差が見えてきます。
遺言書などの法律文書の作成は、お二人の大事なライフイベントの一つになるものかと思います。そのような機会にふさわしい、専門性も人柄も優れた良い専門家に巡り合われることを願っています。
昭和57年 東京都文京区 生まれ
平成16年 中央大学 法学部法律学科 卒業
平成22年 司法書士試験 合格
平成23年 簡易裁判所の訴訟代理権試験 合格
一般企業の法務部、大手の司法書士法人等を経て、現職。