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孫への生前贈与で節税する方法と注意点

相続対策として、孫への生前贈与は非常に有効です。

ただし方法を間違えると思わぬ課税を受けてしまう可能性もあるので、正しい知識をもって対応しましょう。

 

今回は孫への生前贈与によって相続税を節税する具体的な手法や、その際の注意点について、FP資格を持った司法書士が解説します。

 

将来にそなえて節税対策を検討している方はぜひ参考にしてみてください。

お孫さんへの生前贈与で相続対策

1.孫への贈与が非課税となるケース

孫へ贈与を行った場合、必ずしも贈与税がかかるわけではありません。

親や祖父母などの親族には扶養義務があるからです。扶養義務の範囲内の支援であれば、贈与税は非課税となっています。

具体的には孫の生活や教育に「通常必要とされるもの」を贈与した場合、贈与税はかかりません。

 

孫への贈与が非課税となる例

  • 食費や医療費、交通費などの支出
  • 入学金や学費の支出
  • 学用品の購入

 

ただし、生活の支援であっても生活費として相当な金額を超える場合には、超過部分を贈与と認定される可能性が高くなります。

たとえば、月100万円の生活費を出していたら、多くの部分を生前贈与とみなされるでしょう。

教育費であっても一括でまとまった金額を贈与すると、今すぐ使わない部分については課税対象となるのが基本です。

2.孫への贈与にかかる贈与税の税率

孫へ生前贈与する場合の贈与税の税率は、孫の年齢によって変わります。
18歳以上の孫への贈与税率
課税価格 税率 控除額
200万円以下 10% なし
400万円以下 15% 10万円
600万円以下 20% 30万円
1,000万円以下 30% 90万円
1,500万円以下 40% 190万円
3,000万円以下 45% 265万円
4,500万円以下 50% 415万円
4,500万円超 55% 640万円
18歳未満の孫への贈与税率
課税価格 税率 控除額
200万円以下 10% なし
300万円以下 15% 10万円
400万円以下 20% 25万円
600万円以下 30% 65万円
1,000万円以下 40% 125万円
1,500万円以下 45% 175万円
3,000万円以下 50% 250万円
3,000万円超 55% 400万円

孫が18歳以上になると贈与税率が下がるので、18歳直前のお孫さんのおられる方はしばらく贈与を待つと節税できる可能性があります。

3.孫への生前贈与で節税する方法

次に、孫への生前贈与によって節税するための具体的な方法や贈与税の控除制度をお伝えします。

3-1.孫へ暦年贈与する

暦年贈与とは、贈与税の基礎控除を利用して毎年贈与を重ねる手法をいいます。

 

贈与税には「1年に110万円」までの基礎控除が認められるので、孫へ毎年110万円ずつ贈与を続ける限り、贈与税はかかりません。

贈与を続けて10年が経過すると、計1,100万円もの現預金を孫へ非課税で贈与できます。

現預金だけではなく車や不動産、株式などの資産も暦年贈与による贈与が可能です。

 

暦年贈与の注意点

ただし暦年贈与には注意点があるので、必ず理解しておきましょう。

名義預金とみなされるリスク

祖父母が孫へお金を贈与しようとして、孫に黙ったまま孫名義の口座へ入金するケースがよくあります。

すると「贈与契約が成立しておらず、実質的に祖父母の資産」とみなされて、相続財産に含められてしまうリスクが発生します。

 

贈与するときには必ず贈与者と受贈者の意思が一致しなければなりません。

贈与契約の成立を証明するため、面倒でも必ず贈与契約書を作成しましょう

 

連年贈与とみなされるリスク

毎年110万円ずつ贈与する場合でも、「当初にまとまった金額を贈与する契約を締結し、分割払いしているだけ」とみなされると2年目以降の贈与分に贈与税がかかってしまいます。

このように、まとめて贈与契約を締結して分割払いするスキームを「連年贈与」「定期贈与」といいます。

 

連年贈与や定期贈与とみなされないためには、「毎年新たに」贈与契約書を作成しなければなりません。面倒でも祖父母と孫が毎年契約書に署名押印して書類を作成し、相続発生後も保管し続けましょう。

3-2.孫へ教育資金を贈与する

2つ目の節税対策方法として、教育資金の一括贈与制度があります。

 

祖父母が孫へ学費や塾代、スポーツクラブなどの費用を一括で贈与すると、最大1,500万円までの贈与分が無税となる特例です。

 

学費の場合には最大1,500万円、塾やスポーツクラブなどの費用の場合には500万円が限度となっています。

 

教育資金一括贈与の注意点

孫への教育資金贈与制度は、孫が30歳になると終了します。その時点で残っているお金には通常通りの贈与税がかかってしまいます。

使い切れないと思わぬ課税が行われるリスクが発生するので、一括贈与制度は計画的に利用しましょう。

3-3.孫へ住宅購入資金を贈与する

孫へ住宅購入資金を贈与する方法もあります。

孫が家やマンション、土地を購入したり戸建てを新築したりする際、祖父母が資金を援助すると最大1,000万円までの贈与分が非課税となります。

 

住宅購入資金贈与特例の注意点

孫へ住宅購入資金贈与特例を利用するときには「資金の支援」でなければなりません。

居住用のマンションや家そのものを贈与すると、通常通り贈与税がかかってしまいます。

また孫が住宅ローンを組んでいる場合に祖父母が肩代わりしても特例の適用は受けられません。

4.孫へ生前贈与する際の注意点

孫へ生前贈与する際には「7年以内に死亡した場合の相続税加算」にも注意が必要です。

4-1. 7年以内の相続税加算とは

7年以内の相続税加算とは、被相続人の死亡前3年間に相続人や受遺者へ行われた贈与については、相続財産に組み入れて相続税を課税する制度です。

 

生前に贈与した場合には贈与税の課税対象となり、相続税はかからないのが基本です。しかし死亡前7年以内に法定相続人や受遺者へ贈与された場合には贈与税ではなく相続税がかかってしまいます。

 

この制度の対象は基本的に法定相続人なので孫は対象外ですが、ケースによっては孫も対象となる可能性があるので注意しなければなりません。

4-2. 孫が遺贈を受ける場合

1つ目は、孫が被相続人から遺言書によって遺贈を受ける場合です。

受遺者が生前贈与を受けると、相続前7年以内の相続税加算の対象になります。

 

よって遺言書で孫に財産を受け取らせると、相続前年7以内に行われた贈与に対し、相続税が課税される可能性があります。

4-3.孫が保険金を受け取る場合

2つ目は、孫が死亡保険金を受け取る場合です。

 

死亡保険金は民法上の遺産ではありませんが、税制上は相続税の課税対象です。このように、法律上の相続財産ではないけれど税制上相続税がかかる財産を「みなし相続財産」といいます。

 

孫がみなし相続財産である死亡保険金を受け取った場合にも、7年以内に死亡した場合の相続税加算が適用されます。

4-4.孫が代襲相続人になる場合

子どもが親より先に死亡すると、子どもの子ども(孫)が「代襲相続人」となって遺産を相続します。

 

孫が代襲相続人になる場合、孫は「相続人」なので7年以内に死亡した場合の相続税加算が適用されます。

4-5.孫を養子にした場合

孫を養子にすると相続税の基礎控除枠が増えるので、節税対策のために孫養子をとるご家庭が少なくありません(ただし養子縁組による基礎控除枠の拡大には人数制限があります)。

 

養子になると孫は法定相続人となるので、7年以内に死亡した場合の相続税加算が適用されます。

特例による贈与は対象外

孫へ生前贈与する際に、教育資金一括贈与や住宅購入資金一括贈与などの特例を利用した場合には、7年以内に死亡した場合の相続税加算が適用されません。

監修者:黒川聡史

監修者:黒川聡史

保有資格と所属団体

  • 司法書士:東京司法書士会所属:登録番号4230号
  • 行政書士:東京都行政書士会所属:登録番号第19082582号
  • FP(FP技能士1級:日本FP協会CFP®)
経歴

昭和51年生まれ。平成13年司法書士と行政書士の資格取得後、都内司法書士事務所で勤務。平成19年に独立開業し、平成30年に法人化し司法書士法人黒川事務所となる。また、ファイナンシャルプランニング技能士1級及びCFP®を取得しFPとしても活動している(合同会社つなぐ)。

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