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相続対策として、孫への生前贈与は非常に有効です。
ただし方法を間違えると思わぬ課税を受けてしまう可能性もあるので、正しい知識をもって対応しましょう。
今回は孫への生前贈与によって相続税を節税する具体的な手法や、その際の注意点について、FP資格を持った司法書士が解説します。
将来にそなえて節税対策を検討している方はぜひ参考にしてみてください。
目 次
3-1.孫へ暦年贈与する
3-2.孫へ教育資金を贈与する
3-3.孫へ住宅購入資金を贈与する
4-1.3年以内の相続税加算とは
4-2.孫が遺贈を受ける場合
4-3.孫が保険金を受け取る場合
4-4.孫が代襲相続人になる場合
4-5.孫を養子にした場合
孫へ贈与を行った場合、必ずしも贈与税がかかるわけではありません。
親や祖父母などの親族には扶養義務があるからです。扶養義務の範囲内の支援であれば、贈与税は非課税となっています。
具体的には孫の生活や教育に「通常必要とされるもの」を贈与した場合、贈与税はかかりません。
孫への贈与が非課税となる例
ただし、生活の支援であっても生活費として相当な金額を超える場合には、超過部分を贈与と認定される可能性が高くなります。
たとえば、月100万円の生活費を出していたら、多くの部分を生前贈与とみなされるでしょう。
課税価格 | 税率 | 控除額 |
---|---|---|
200万円以下 | 10% | なし |
400万円以下 | 15% | 10万円 |
600万円以下 | 20% | 30万円 |
1,000万円以下 | 30% | 90万円 |
1,500万円以下 | 40% | 190万円 |
3,000万円以下 | 45% | 265万円 |
4,500万円以下 | 50% | 415万円 |
4,500万円超 | 55% | 640万円 |
課税価格 | 税率 | 控除額 |
---|---|---|
200万円以下 | 10% | なし |
300万円以下 | 15% | 10万円 |
400万円以下 | 20% | 25万円 |
600万円以下 | 30% | 65万円 |
1,000万円以下 | 40% | 125万円 |
1,500万円以下 | 45% | 175万円 |
3,000万円以下 | 50% | 250万円 |
3,000万円超 | 55% | 400万円 |
暦年贈与とは、贈与税の基礎控除を利用して毎年贈与を重ねる手法をいいます。
贈与税には「1年に110万円」までの基礎控除が認められるので、孫へ毎年110万円ずつ贈与を続ける限り、贈与税はかかりません。
贈与を続けて10年が経過すると、計1,100万円もの現預金を孫へ非課税で贈与できます。
現預金だけではなく車や不動産、株式などの資産も暦年贈与による贈与が可能です。
暦年贈与の注意点
ただし暦年贈与には注意点があるので、必ず理解しておきましょう。
名義預金とみなされるリスク
祖父母が孫へお金を贈与しようとして、孫に黙ったまま孫名義の口座へ入金するケースがよくあります。
すると「贈与契約が成立しておらず、実質的に祖父母の資産」とみなされて、相続財産に含められてしまうリスクが発生します。
贈与するときには必ず贈与者と受贈者の意思が一致しなければなりません。
贈与契約の成立を証明するため、面倒でも必ず贈与契約書を作成しましょう。
連年贈与とみなされるリスク
毎年110万円ずつ贈与する場合でも、「当初にまとまった金額を贈与する契約を締結し、分割払いしているだけ」とみなされると2年目以降の贈与分に贈与税がかかってしまいます。
このように、まとめて贈与契約を締結して分割払いするスキームを「連年贈与」「定期贈与」といいます。
連年贈与や定期贈与とみなされないためには、「毎年新たに」贈与契約書を作成しなければなりません。面倒でも祖父母と孫が毎年契約書に署名押印して書類を作成し、相続発生後も保管し続けましょう。
孫を養子にすると相続税の基礎控除枠が増えるので、節税対策のために孫養子をとるご家庭が少なくありません(ただし養子縁組による基礎控除枠の拡大には人数制限があります)。
養子になると孫は法定相続人となるので、7年以内に死亡した場合の相続税加算が適用されます。
特例による贈与は対象外
孫へ生前贈与する際に、教育資金一括贈与や住宅購入資金一括贈与などの特例を利用した場合には、7年以内に死亡した場合の相続税加算が適用されません。
昭和51年生まれ。平成13年司法書士と行政書士の資格取得後、都内司法書士事務所で勤務。平成19年に独立開業し、平成30年に法人化し司法書士法人黒川事務所となる。また、ファイナンシャルプランニング技能士1級及びCFP®を取得しFPとしても活動している(合同会社つなぐ)。