相続・遺言に関する手続の総合案内(合同会社つなぐ(FP)×司法書士法人黒川事務所×行政書士黒川事務所の運営サイト)

相続遺言サポートつなぐ

(渋谷相談センター)東京都渋谷区渋谷3丁目7-3 第1野口ビル5階
(上野相談センター)東京都台東区東上野4丁目6-5 日比谷不動産ビル1階
(横浜相談センター)横浜市西区北幸2丁目5-13 西口幸ビル505
(梅田相談センター)大阪市北区堂島2丁目1-27 桜橋千代田ビル4階

お気軽にお問合せください

0120-971-259
営業時間
平日10:00〜20:00
土日10:00〜17:00
祝日休み

相続不動産を売却した場合の税金計算方法や控除制度の紹介

相続した不動産を売却すると、税金がかかるケースがあります。

どのような税金がどの程度発生するのか知っておかないと、予想外に高額な支払いが必要になって不利益を受けてしまうケースもみられます。

 

相続不動産の売却を検討しているなら、税金の計算方法や各種の控除制度を把握しておきましょう。

 

今回は相続不動産を売却した場合にかかる税金について、解説します。

相続不動産を売却した場合の税金

1.相続不動産を売却したときにかかる税金一覧

相続した家やマンション、土地などの不動産を売却すると、以下のような税金がかかる可能性があります。

1-1.譲渡所得税、住民税

譲渡所得税とは、不動産を売って「利益」が出たときにかかる税金です。

不動産を売って得られる利益を「譲渡所得」といいます。基本的には不動産が「経費(かかった費用)」より高く売れると譲渡所得があるとされます。

 

また譲渡所得税がかかると翌年の住民税も上がるので、譲渡所得税と住民税はセットで理解するのがよいでしょう。

1-2.登録免許税

登録免許税は、不動産の名義を変更するときや抵当権を外すときなど「登記」する際に発生する費用です。

1-3.印紙税

印紙税は、契約書や領収証などの書類を作成する際にかかる税金です。

2.譲渡所得税と住民税

譲渡所得税と住民税を求めるには「譲渡所得」を求めなければなりません。

譲渡所得は「譲渡所得」へ一定の税率を掛け算すると計算できます。

2-1.譲渡所得の計算式、求め方

譲渡所得は以下の計算式によって算出します。

 

譲渡所得=不動産の売却価額-(不動産の売却費用+不動産の取得費用)

2-2.売却費用とは

不動産の売却費用とは、不動産を売却するためにかかった費用です。たとえば以下のようなものが該当します。

  • 不動産会社の仲介手数料
  • 測量費

2-3.取得費用とは

取得費用とは、不動産を購入したときにかかった費用です。以下のようなものが該当します。

  • 不動産の購入価額(建物は減価償却費を差し引く)
  • 不動産会社の仲介手数料
  • 測量費
  • 登録免許税
  • 不動産取得税
  • 登記にかかった費用

取得費用が不明な場合には、売却価額の5%とすることも可能です。

 

維持管理費や固定資産税、リフォーム代などは費用に含められません。

相続税の取得費加算の特例

相続税の申告期限の翌日以後3年以内に売却した場合、相続税額のうち一定金額を金額を取得費に加算することができます。

ただし、「相続した空き家を譲渡した場合の3,000万円特別控除」との重複適用はできません。

2-4.譲渡所得税と住民税の税率

譲渡所得に譲渡所得税や住民税の税率を掛け算すると、譲渡所得税を計算できます。

 

譲渡所得税と住民税の税率は、不動産を所有していた期間によって異なります。

(相続不動産の所有期間は、被相続人が取得した日から相続人が売却する年の1月1日の期間で計算します。相続土後の期間ではありませんので、被相続人が取得した日から5年以上たっているなら長期譲渡所得に該当します。)

 

短期譲渡所得

不動産を所有していた期間が5年以下の場合、短期譲渡所得として税率が高くなります。

譲渡所得税の税率が30.63%、住民税の税率が9%となるので、合計して39.63%の税金がかかります。

 

長期譲渡所得

不動産を所有していた期間が5年を超える場合、長期譲渡所得として税率が低くなります。

譲渡所得税の税率は15.315%、住民税の税率は5%となるので、合計して20.315%の税金がかかります。

 

不動産の所有期間が10年以上の場合の軽減税率の特例

不動産の所有期間が10年以上の場合、特例によってさらに税率を軽減してもらえる可能性があります。

 

【その他の要件】

・本人が居住する家屋と敷地である(ともに10年超)

・居住しなくなってから3年経過する日の属する年の12月31日までに譲渡 など

 

ただし軽減税率が適用されるのは「譲渡所得が6,000万円までの部分」であり、6,000万円を超える部分についての控除はありません。

 

軽減された後の税率は、譲渡所得税が10.21%、住民税が4%の合計14.21%となります。

  譲渡所得が6,000万円以下の部分 譲渡所得が6,000万円を超える部分
譲渡所得税率 10.21% 15.315%
住民税率 4% 5%
合計の税率 14.21% 20.315%

 

10年以上不動産を保有した場合の軽減特例を利用するには、売主と買主の関係が親子や夫婦などの親族関係でないこと、売却した年の1月1日において家屋や敷地の所有期間が10年を超えている、他の控除制度を適用していないなどの一定要件を満たす必要があります。

3.譲渡所得税の控除について

次に、譲渡所得税の各種控除制度をご紹介します。

上記の計算で譲渡所得税が発生するケースでも、特例を適用すれば税金を払わなくて良くなる可能性があります。

適用できる控除制度は活用しましょう。

3-1.居住用不動産を譲渡した場合の3,000万円特別控除

居住用財産を売却して発生した譲渡所得税は、一定の要件を満たすと最大3,000万円まで控除してもらえます。これを居住用不動産譲渡の3,000万円特別控除といいます。

 

この特別控除制度を適用するには、売却した不動産が居住用でなければなりません

売主本人(相続人)が売却する直前まで不動産に住んでいなければならないのです。

 

親から実家やその他の不動産を相続した場合などで、相続人が住んでいる家ではない場合、この特例を適用できません。

3-2.相続した空き家を譲渡した場合の3,000万円特別控除

相続人自身が不動産に居住していなくても、相続した空き家を売却すると一定要件を満たした場合に3,000万円までの譲渡所得の控除を受けられます。

 

この特例を適用するには、被相続人が生前に対象の不動産に居住していたことが必要です。誰かに貸し出していた不動産は適用対象になりません。

ただし被相続人が介護用施設へ入居していた場合、施設入所の直前まで住んでいたら制度を適用できる可能性があります。

 

また不動産の売却時期についても制限があります。

相続開始があった日から3年を経過する日の属する年の12月31日までの間に売却しなければならないので、適用を希望するなら早めに売却活動を始めましょう。

売主と買主が親族関係でないことも要求されます。

その他、1981年5月31日以前に建築されたこと・区分所有建物(マンション)でない・譲渡対価が1億円以下である・相続時から譲渡時まで居住用・事業・賃貸に供されていない(空き家である)ことなどの要件があります。

4.譲渡所得税に関する注意点

相続不動産を売却して利益が出れば、翌年(2月16日〜3月15日)に確定申告しなければなりません。

各種の特例や控除を適用して計算した結果、譲渡所得がマイナスになっても、確定申告は必要です。

期限に遅れると延滞税が発生したり税務署からお尋ねが届いたりする可能性があるので、早めに申告と納税を済ませましょう。

 

譲渡所得税の特例を適用する場合にも注意点があります。各種の特例は適用要件が細かいうえ、頻繁に要件が改正されて非常に複雑になっています。常に最新の情報を取得して正しく対応しなければなりません。

また税金控除制度や軽減制度には、併用できないものも多数あります。

 

ご自身で対応すると間違いやすいので、譲渡所得税の確定申告は税理士に依頼するのがよいでしょう。

5.印紙税

相続した不動産を売却する際には印紙税がかかります。

印紙税は、不動産の売却価額に応じて課税されますが、不動産については特例で軽減されるので本則よりは低くなっています。

具体的な金額を表で確認しましょう。

契約金額 軽減税率
10万円を超え 50万円以下のもの 200円
50万円を超え 100万円以下のもの 500円
100万円を超え 500万円以下のもの 1千円
500万円を超え1千万円以下のもの 5千円
1千万円を超え5千万円以下のもの 1万円
5千万円を超え 1億円以下のもの 3万円
1億円を超え 5億円以下のもの 6万円
5億円を超え 10億円以下のもの 16万円
10億円を超え 50億円以下のもの 32万円
50億円を超えるもの 48万円

印紙税は、当事者が収入印紙を購入して契約書へ貼り付けることによって納税します。

不動産売買契約書は売主と買主の2通分作成しますが、自分の契約書に貼り付ける印紙代を自分で負担するのが一般的です。

6.登録免許税

相続した不動産を売却すると、登録免許税がかかる可能性もあります。

所有権移転登記にかかる登録免許税については一般的に買主が負担するので、売主側は負担しません。

 

売主側が登録免許税を払わねばならないのは、住宅ローンなどによって「抵当権」がついている場合です。

抵当権を抹消する際には売主側が登録免許税を負担しなければなりません。金額は不動産1筆につき1,000円となっています。土地と建物であれば2筆分の2,000円がかかる計算です。

監修者:黒川聡史

監修者:黒川聡史

保有資格と所属団体

  • 司法書士:東京司法書士会所属:登録番号4230号
  • 行政書士:東京都行政書士会所属:登録番号第19082582号
  • FP(FP技能士1級:日本FP協会CFP®)
経歴

昭和51年生まれ。平成13年司法書士と行政書士の資格取得後、都内司法書士事務所で勤務。平成19年に独立開業し、平成30年に法人化し司法書士法人黒川事務所となる。また、ファイナンシャルプランニング技能士1級及びCFP®を取得しFPとしても活動している(合同会社つなぐ)。

相続の手続き|遺言書作成のご相談は

司法書士黒川

司法書士法人黒川事務所
行政書士黒川事務所
合同会社つなぐ

お電話でのお問合せはこちら

0120-971-259

受付時間

平日10:00〜20:00 土日10:00~17:00

祝日休み

ご相談内容と曜日によっては担当者がお休みを頂いている場合がございます。