相続・遺言に関する手続の総合案内(合同会社つなぐ(FP)×司法書士法人黒川事務所×行政書士黒川事務所の運営サイト)

相続遺言サポートつなぐ

(渋谷相談センター)東京都渋谷区渋谷3丁目7-3 第1野口ビル5階
(上野相談センター)東京都台東区東上野4丁目6-5 日比谷不動産ビル1階
(横浜相談センター)横浜市西区北幸2丁目5-13 西口幸ビル505
(梅田相談センター)大阪市北区堂島2丁目1-27 桜橋千代田ビル4階

お気軽にお問合せください

0120-971-259
営業時間
平日10:00〜20:00
土日10:00〜17:00
祝日休み

成年後見制度のデメリットは?利用時の注意点を詳しく解説

認知症や知的障害、精神障害などを抱えている方は、自分で不動産や預貯金を管理したり、遺産分割の協議を行ったりするのが難しい場合があります。

 

成年後見制度は、こうした「一人で決めることに不安のある方々を法的に保護し、ご本人の意思を尊重した支援(意思決定支援)」を行うための制度です。

 

成年後見制度を利用すれば、悪徳商法などの被害に遭い、よくわからないまま契約を結んでしまっても、成年後見人が後で契約を取り消すことができます。

 

しかし、成年後見制度はメリットばかりではありません。

成年後見制度のメリットとデメリットを知り、自分に合った制度を選ぶことが大切です。

 

本記事では、成年後見制度のデメリットや利用するときの注意点を解説します。

成年後見制度デメリット

成年後見制度のデメリット

成年後見制度のデメリットは3つあります。

  • 専門家に依頼する場合は報酬の支払いが発生する

  • 親族が後見人になると負担が大きくなる

  • 自由に資産運用できなくなる

1. 専門家に依頼する場合は報酬の支払いが発生する

成年後見人は、弁護士や司法書士などの専門家が選任されることが一般的です。

裁判所の統計によると、親族以外(専門職)が成年後見人に選任された例は全体の約80.9%となっています。

 

親族以外の件数のうち、弁護士が選任された例は8,682件、司法書士が選任された例は11,764件です。

成年後見 件数(令和4年)
合計 3万9,546件
親族 7,560件
専門職 3万2,004件
弁護士 8,682件
司法書士 1万1,764件
社会福祉士 5,849件
市民後見人 271件

その他(行政書士等)

5,438件

弁護士や司法書士に成年後見人を依頼すると、親族による財産の使い込みを防止できます。

また、不動産や財産の管理について、専門的な立場からアドバイスをもらうことが可能です。

 

一方、専門家に後見を依頼する場合は報酬の支払いが発生します。

成年後見制度の利用は、原則として中止できないため、後見を受けている人が亡くなるまで報酬を支払いつづけなければなりません。

(成年後見報酬は、1年1回のまとめての後払いとなります。)

 

裁判所によると、成年後見人の基本報酬の目安は月額2万円です。

預貯金や有価証券などの流動資産の金額が多く、財産管理が大変な場合は基本報酬額が上がります。

成年後見人の基本報酬 月額報酬
管理財産額が1,000万円以内 月額2万円
管理財産額が1,000万円を超え5,000万円以下の場合 月額3万円~4万円
管理財産額が5,000万円を超える場合 月額5万円~6万円

専門家に依頼する内容にもよりますが、毎月数万円の報酬を亡くなるまで払いつづける必要があることを知っておきましょう。

2. 親族が後見人になると負担が大きくなる

成年後見人に選任された人は、自分の仕事などの合間を縫って、さまざまな後見事務(財産管理や身上監護、家庭裁判所への報告など)を行う必要があります

そのため、親族が成年後見人に就任すると、親族の手間や労力が大きくなるのがデメリットです。

 

また、財産管理をめぐって、親族との間にトラブルが発生する可能性があります。たとえば、被後見人が正常な判断能力を持たないことを利用して、成年後見人に選任された親族が財産の使い込みを行うケースです。

 

成年後見制度を利用する場合は、誰に後見を依頼するのかしっかりと考えましょう。

3. 相続対策など自由に資産を処分・運用できなくなる

成年後見制度の利用を開始すると、被後見人は自由に資産を処分できなくなります。

 

成年後見制度は本人の財産を守る(減らさない)ための制度なので、たとえば、株式や債券などの投資はもちろんですが、相続対策を目的とした不動産の購入や生前贈与なども行うことができません

 

成年後見制度のメリットだけでなく、デメリットに目を向けることも大切です。

成年後見制度のメリット

成年後見制度の代表的なメリットは下記のとおりです。

  • 悪質業者に騙されたような不利益な契約を取り消すことができる

  • 本人に代わって契約ができる

  • 預貯金の管理ができる

1. 悪質業者に騙されたような不利益な契約を取り消すことができる

認知症等で判断能力が低下すると悪質な業者に狙われる可能性もあります。

 

成年後見人が選任されると、本人に代わって契約手続きなどを行うことになりますし、被後見人が単独で行った法律行為を取り消すことができます。

2. 本人に代わって契約ができる

成年後見人が選任されると、本人に代わって下記のような契約が可能です。

・不動産の処分(ただし、居住用不動産の処分は家庭裁判所の許可が必要)

・施設への入所契約

・相続手続き(認知症の相続人に代わって遺産分割協議をする)

3. 預貯金の管理ができる

認知症で判断能力が低下していると判断されると、銀行の窓口で手続きをすることが難しくなり、口座が凍結されることがあります。

口座が凍結されれば、生活費や介護費用の支払いができなくなり親族が立て替えたりする必要があります。

 

じつは、成年後見制度の申立て理由として一番多いのが、「預貯金等の管理・解約のために」です。

 

成年後見制度を利用すると成年後見人が預貯金の管理をして、入出金や支払いができるようになります。

 

また、成年後見人が管理することで親族の使い込みを防ぐことも可能です。

成年後見制度を利用するときの注意点

成年後見制度を利用する前に、制度について正しい知識を持っておくことが大切です。身近な相談先として以下の3つがあります。

  • 市区町村の地域包括支援センターに相談しよう

  • リーガルサポートに相談しよう

  • 専門家に成年後見以外の選択肢を相談しよう

1. 市区町村の地域包括支援センターに相談しよう

まずは市区町村の役場や地域包括支援センターに相談してみましょう。

地域包括支援センターでは、成年後見制度を利用するための手続きや必要書類のほか、成年後見人になってくれる方について相談できます。

 

地域包括支援センターでは、成年後見制度の申し立てに必要な「本人情報シート(健康状態などをまとめたもの)」を作成することも可能です。

  • 2. リーガルサポートに相談しよう

リーガルサポートとは、高齢の方や障害のある方が自らの意思に基づき、安心して日常生活を送ることができるように支援するため、全国の司法書士が中心となって設立された団体です。

 

リーガルサポートの正会員は全て司法書士のため、リーガルサポートに相談すると、成年後見制度の相談だけでなく、後見人になれる司法書士の紹介や、申立書類の作成依頼もすることができます。

3. 専門家に成年後見以外の選択肢を相談しよう

成年後見制度以外の選択肢も検討しましょう。

 

たとえば、認知症になるであれば、財産を家族で託して管理してもらう家族信託を利用する方法もあります。

 

家族信託は、成年後見制度と違って相続対策を行うことが可能です。また、家庭裁判所で申し立ての手続きを行う必要もありません。

 

ただし、認知症が進行した方の場合、家族信託を利用できない可能性があります。家族信託を利用できるかどうか知りたい方は、弁護士や司法書士などの専門家に相談してみましょう。

【まとめ】成年後見制度のメリット・デメリットを知り、自分に合った制度を選ぼう

成年後見制度は、メリット以外にデメリットもある制度です。

たとえば、被後見人は後見人に対して、毎月数万円の報酬を支払う必要があります。成年後見人に選任された人は、さまざまな後見事務を行わなければならないため、手間や労力がかかるのもデメリットです。

 

成年後見制度以外にも、家族信託や任意後見を利用する方法もあります。成年後見制度のメリット・デメリットを知り、自由に合った制度を選びましょう。

相続の手続き|遺言書作成のご相談は

司法書士黒川

司法書士法人黒川事務所
行政書士黒川事務所
合同会社つなぐ

お電話でのお問合せはこちら

0120-971-259

受付時間

平日10:00〜20:00 土日10:00~17:00

祝日休み

ご相談内容と曜日によっては担当者がお休みを頂いている場合がございます。